【痛み止めに頼りすぎていませんか?】オピオイドと整体・運動の意外な関係

2025年05月28日

薬を手に出す女性

💊「魔法の薬」には落とし穴がある?

皆さん、「オピオイド」という言葉を聞いたことがありますか?

聞きなじみがなくても、「強い痛み止め」と言えばピンとくる方も多いかもしれません。整形外科で出される**トラムセット®(トラマドール)**や、フェンタニルパッチなどがその代表例です。

このオピオイド、例えるなら**「痛みという火を一時的に消してくれる強力な消火器」**のような存在です。ですが、問題はこの消火器、火を根本から消すわけではないということ。

🔁「火種」が残ったままだとどうなる?

例えば、部屋で火事が起きて、煙を出している火種があるのに、消火器で「見た目だけ」消してそのままにしたらどうなるでしょう?

そう、その火種はまた燃え出します。

痛みもこれと同じ。
オピオイドで痛みを感じなくなったとしても、「痛みの原因」はそのまま身体に残っています。

🧠 オピオイドが働く仕組み:
オピオイドは脳や脊髄の受容体に作用して、痛みの「感じ方」を鈍らせます。しかし、「痛みの原因そのもの(炎症・筋緊張・姿勢不良など)」は治りません。

(引用:Volkow ND et al., 2016. “Neurobiologic Advances from the Brain Disease Model of Addiction.” N Engl J Med.

💡ここで登場するのが「整体」や「運動」の出番!

整体やリハビリ・運動療法は、火の原因=痛みの根っこにアプローチします。

たとえば、

  • 猫背で肩こりが慢性化 → 姿勢改善の運動 + 筋膜リリース
  • ぎっくり腰後に動けず筋力低下 → 筋力回復のトレーニング
  • 股関節が硬くて膝に負担 → 可動域改善と歩行指導

など、「痛みの根っこ」を見つけて整えることが目的です。

実際の研究でも:
運動療法や徒手療法(マッサージや整体)は、慢性腰痛においてオピオイドよりも持続的な改善が見られ、副作用も少ないと報告されています。
(引用:Qaseem A et al., 2017. “Noninvasive Treatments for Acute, Subacute, and Chronic Low Back Pain.” Ann Intern Med.

🧠「脳内オピオイド」も存在する⁉︎

ここが面白いところなのですが、人間の脳内にも「エンドルフィン」という**“天然のオピオイド”**が存在します。

これは、運動やリラックス、笑いや達成感によって分泌される脳内物質で、気分を良くし、痛みを感じにくくさせる作用があります。

💪つまり、「いい運動・整体・ストレッチ」は天然のオピオイド製造装置!

(引用:Boecker H et al., 2008. “The runner’s high: Opioidergic mechanisms in the human brain.” Cereb Cortex.

⚠️ オピオイド依存の危険性

残念ながら、オピオイドには「耐性」や「依存」のリスクがあります。

使い続けることで、

  • 効かなくなる(=用量が増える)
  • やめると不安になる
  • 身体がだるくなる

など、「薬に頼りきるサイクル」になってしまいます。

🧠アメリカではこのオピオイド問題が深刻で、”Opioid Crisis”として社会問題化しています。
(引用:CDC, 2022. “Understanding the Epidemic.”)


🔁まとめ:「痛みは身体からの手紙」

オピオイドで痛みを「封じ込める」だけでは、本当の原因は解決できません。

痛みは、身体が発する「サイン」です。
整体・運動・リハビリで、火種を探し出して、根っこからケアすることが、最も自然で、再発を防ぐ方法です。

ぜひ一度、薬に頼る前に、身体そのものを見直してみませんか?


🔍参考文献(信頼できる論文)

  1. Volkow ND et al. (2016). Neurobiologic Advances from the Brain Disease Model of Addiction. New England Journal of Medicine, 374(4), 363–371.
  2. Qaseem A et al. (2017). Noninvasive Treatments for Acute, Subacute, and Chronic Low Back Pain. Annals of Internal Medicine, 166(7), 514–530.
  3. Boecker H et al. (2008). The runner’s high: Opioidergic mechanisms in the human brain. Cerebral Cortex, 18(11), 2523–2531.
  4. Centers for Disease Control and Prevention (CDC). (2022). Understanding the Epidemic. https://www.cdc.gov/opioids/

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当院では、ただの「リラクゼーション」ではなく、「根本的な原因を見つけて整える施術」と「身体を動かして治す」サポートを行っています。
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